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2013年3月月次祭神殿講話

飾東巴里出張所長 角本もと子

ただいまより、三月の神殿講話を勤めさせて頂きますので、よろしくお願い致します。

私は前真柱中山善衛様の書かれた「喜びの日々」という本がとても好きです。この本にはとても分かり安く、御自分の経験や分かり安い例を通して天理教の大切な点を御説明下さっておられます。その中でも、「節から芽が出る」という章では、このように仰っておられます。

「私達は、一生のうち、いくつもの関門を通って成長を遂げて行きます。つまり、この世に生まれることから始まって、入学、卒業、就職、結婚、出産、あるいは転宅など、ほとんどの人たちは、みんなこの関門を通りますね。そして、そのたびに周囲だけでなく、自分の心構えも変わってまいります。私はこのような関門を木にたとえて、一つのふしと申したいのです。ふしは人生の区切りの一つ一つであり、次の目標への段階であり、また、方向転換の一つのチャンスだと言えますね。このふしごとに成長していく姿を、木や竹と同様にふしから芽が出ると、こう申しているんです。」

私は23歳で結婚をして、同じ年に主人と一緒にフランスに布教に来させて頂き、その十年後に子供が授かり、色々な節目に出会わせて頂きました。その中でも、この度は主人の出直しという大きな節を頂きました。

天理教教典第七章「かしもの・かりもの」に、「身上を返すことを出直しと仰せられる。それは、古い着物を脱いで、新しい着物と替えるようなもので、例え身上は返しても、心一つは我がの理であるから、銘々の心遣いの理にふさわしい身上を借りて、またこの世に出直して帰って来る意味である」と書いてあります。

私はこのお言葉を強く信じ切らせて頂いております。これも大教会のお蔭だと思います。飾東大教会の前会長様・奥様、大教会長様方の暖かい親心で、娘を四年半もの間、日本の方で御仕込み頂いたお蔭で、娘もこの節に動じる事なく、より前向きに、今日まで無事お連れ通り頂けたのだと、厚く感謝をさせて頂いております。私自身もその姿を見せて頂くお蔭で、より前向きに共にこの節を乗り越えさせて頂く覚悟が出来ました。そして、皆様方の身近な支えがあったからこそ、心倒さず無事この節を乗り越させて頂けたのだと思います。高い所からではありますが、厚く御礼申し上げます。

主人の出直しは娘にとっても心苦しい事であったと思います。しかし、その気持ちを切り替えて、娘は現在看護大学で頑張らせて頂いております。しかし、看護師にならせて頂くには、色々な経験を積ませて頂けねばなりません。その沢山な経験を積ませて頂き、色んな思いを味あわせて頂いて、一人前にならせて頂けるのです。これは他の事でも同じだと思います。その一つ々の経験が楽しい事だったり、辛い事だったりもするのです。しかし、我々はどちらかというと、辛い思いをした事の方がよく覚えているように思います。

実は、娘はつい最近、実習のあと三日という処で、体調を壊してしまいました。娘はその前日まで、クロストリジウム・デイフイシル菌を持つ患者さんを数日間、看護学生としてお世話をさせて頂いていたのです。この菌は健康の人には無害と言われているのですが、病院に勤めさせて頂いている者としては、やはり念の為に一応調べておいた方が良いという事になり、娘を緊急の病院に連れて行きました。いつも患者さんのお世話をさせて頂く側でいたのが、今回初めて病院で病人としてお世話になったのです。これは患者としては苦い経験だったかも知れませんが、「看護師の卵」としては、今度緊急で実習をさせて頂く前に患者さんの気持ちが少しでも味わえるとても良い経験をさせて頂いたのだと思います。

「心一つが我がの理」という前真柱様のお話にあるように、身上を頂いている時というのは、自分自身の癖・しょうぶんに付いて反省をさせて頂ける時間を与えて頂いているのだと思います。私は今まで元気だった娘が今回飾東巴里出張所の月次祭と同時に体調を崩すのを見て、私自身も色々と反省をさせて頂きました。こうやって、色々な節目に出会わせて頂いて、私達は徐々に心の成人をさせて頂くのです。

親神様は私達人間が陽気ぐらしをするのを見て共に楽しみたいと思われ、この世界や人間をお造り下さいました。つまり、私達の成人した姿というのは、日々どんな事があっても、親神様の暖かい親心を感じさせて頂き、喜びに代えて通らせて頂く事だと思います。

私達は朝・夕おつとめを勤めさせて頂いております。そのおつとめを勤めさせて頂いている際には、私達は親神様に御礼を申し上げます。「昨日は結構に休ませて頂きまして、ありがとうございました。また、今日も無事にお連れ通り頂けますように、よろしくお願い致します。」こうやって、親に御礼を伝える子供の姿を見て、親神様も勇んで下さり、「今日も頑張っておいで。」という気持ちで見守って下さっておられるのだと思います。そのお蔭で、私達は毎日この身体を自分の物のように使わせて頂けるのであります。

私は5年前に脳血栓で一度入院した事があります。有難い事に後遺症は無く、無事にお連れ通り頂ける事が出来ました。これは「大難を小難に、小難を無難」にして頂けたのだと心から喜ばせて頂きました。この節目を通して、今まで以上に身体に気を付けながら、癖・性分を気にしながら、日々無事に通らせて頂ける事に、より一層喜びを感じさせて頂けるようになりました。

おたすけの方では、少しづつおさづけを取り次がせて頂ける方が増えて来ました。きっと、主人も一緒におたすけに回ってくれているのだと思います。
これからも、布教師として娘共々に、にをいがけ・おたすけに頑張らせて頂こうと思います。

御清聴頂き、ありがとうございました。

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