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2021年1月大祭神殿講話

飾東巴里出張所長 角本よしの

1月に行わせていただく月次祭を「春季大祭」と呼ばせていただいておりますが、それは教祖がお姿をかくされた明治20年(1887年)陰暦1月26日にちなんで勤めさせていただくからです。

この日、教祖は、つとめを急き込まれる上から、25年先の定命を縮めて姿を隠され、御存命の理になられました。

教祖は自らお導下されたひながたを通して世界助けを進られる上で、「つとめ」と「さづけ」の大切さをお教え下さいました。

皆様もご存知の通り、「おつとめ」をつとめさせていただく事によって、我々は自ら心を済ませ、心のほこりを払わせていただきます。我々の心は自由自在に使わせていただけます。しかし、親神様が望まれる陽気ぐらしから離れた心遣いを、「心のほこり」だとお教えいただきます。

心が陽気になれる時はやはり喜ばせていただける時ですよね。では、皆様はどんな時に喜びを感じられますか?例えば、食事をして「ああ、美味しいなあ!」と思った時、または、しっかり眠れた時などは気持ちがいいですよね。教祖はその一つひとつの喜びに感謝を添えさせていただく大切さを「かしもの・かりものの理」を通してお教え下さいました。

親神様は人間達が陽気ぐらしをするのを見て共に楽し見たいと思し召され、この世界と人間をもんかたないところからお創り下されたとお教え頂きます。

たん/\となに事にてもこのよふわ
神のからだやしやんしてみよおふでさき第三号 40、135

にんけんハみな/\神のかしものや
なんとをもふてつこているやらおふでさき第三号 41

つまり、我々の身体をはじめ、この世のすべては親神様からの借り物であるという事です。自分の身体が借り物であれば、自分の親も、周りの自然も、この空気も全て親神様からの借り物です。このかしもの・かりものの理を十全の御守護を通して詳しく、分かりやすくお教え下さいました。また、この身体は借りものですから、いつかは親神様にお返しさせていただき来ます。この借りものをお返しさせていただく事を「出直し」とお教えいただきます。

昨年の3月から流行っているコロナウイルス感染症に対して皆様も色々と感じられた事が多々ある事と思います。このウイルスにかかった時の症状はインフルエンザとよく似ていますが、味覚と嗅覚が失われるという特殊な症状も一部の感染者に見られます。

失って初めて気付く事ってありますよね?この味覚と嗅覚を失う事によって、普段の生活に視覚や聴覚ほどの影響はないかも知れませんが、やはり食卓を味わえるという一つの喜びが感じられにくくなります。また、感染病なので、周りとの接触も避ける事になり、孤立状態になってしまいます。

私はこのコロナウイルスという節を通して、普段、親神様に御守護いただいているこの十全の御守護に自分自身がどれだけ感謝をさせていただき、どれだけ当たり前に使わせて頂いているのかを考えさせられます。また、この世で生かせていただく限り、我々は皆この親神様の身体の一部である地球のそのまた一部としてお互い繋がって生かされております。それも、この国から命じられたコロナ感染からの外出制限で、どれだけの方々が「早く家族と会いたい、友達と集まりたい。」と願った事でしょうか。しかし、我々の繋がりは、実に単なる家族や友達だけではありません。それはスーパーで働く方々、街の清掃業の方、パン屋さん、電気屋さん、医療関係者など、日々の生活は本当に沢山の方々のお陰で支えられていて、助け合って生かさせていただいている事が、このコロナ事情によって改めてお互いが感じさせて頂けたのではないでしょうか。

そして、教祖は人助けの道を通る手立てとしておさづけをお教え下さいました。

親神様は取り次ぐ者と取り次がれる者の心の真実をお受け取りくださって、御守護下さるとお教え頂いております。

私が生まれる前から両親の事を知る83歳のAさんがおられます。その方は人間性がとても素敵な方で、飾東巴里出張所にもひのきしんをよく手伝いに来て下さいます。おぢばにも一緒に帰らせていただきよふぼくになられた方ですが、つい最近までずっとおさづけを拒否されておられました。しかし、11月末頃、夜中に急に脈が早くなり血圧が上がり胸が痛いと連絡があり、母と一緒に夜中におさづけを取り次がさせて頂きました。今まで拒否されておられたおさづけですが、その時、初めて素直に受けて下さいました。そして、一時期は治ったものの、12月中も痛みは続きましたので、夕づとめ参拝後におさづけの取次を続けさせて頂きました。2ヶ所の病院で検査を受けさせて頂いたところ異常なしとの事でしたので、Aさんは「わしは本当に痛みを感じるのに異常なしとはどういう事だ。」と喜ぶどころか不足をされておられました。しかし、3度目の検査でやっと冠動脈の一部分が狭くなっている事が発見され、その痛みはやはり心筋梗塞による痛みだという事が明らかになりました。その後、経皮的冠動脈インターベンションを受けられる当日に先に参拝に来られ、母がおさづけを取り次がさせて頂きました。お陰様でインターベーションは無事行われ、病室に戻られてすぐに電話をして下さり、元気そうに、「これでわしも後15年は大丈夫やわ!」と、喜んでおられました。

このおさづけの取次ぎに関しては、やはり取り次ぐ者と取り次がれる者の心の真実を親神様が受け取って下さる訳ですから、お互いの心がおさづけを受けさせていただけるように心の器を整えさせて頂く事が大事なのだと考えさせていただきます。Aさんが初めておさづけを受けて下さった時は、「とにかくたすけて欲しい」という気持ちが強かったと思います。長い付き合いではありますが、長年両親が勤めさせていただいて来たにをいがけや種蒔きのお陰で、Aさんはおさづけの取次ぎを受けて下さる心の成人までやっと最近たどり着かせて頂いたのだと感じさせていただいております。

新しい年ではありますが、昨年の出来事を心において、心の成人と人救けの道にこれからも教祖のお供で歩ませて頂きたいと思います。

ご静聴ありがとうございました。

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