Tenrikyo Europe Centre

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2011年1月大祭神殿講話

ヨーロッパ出張所長 田中善教

皆様方には、日頃はお道の御用の上に何かとお骨折り下さり、また本日は一月の大祭に、寒い中、遠近を問わずご参拝下さり、誠に有り難うございます。
本日は、皆様方とともに勇んでおつとめを勤めることができ、大変嬉しく思っています。親神様おやさまにもお勇み頂けていることと思います。
本日は、一月の大祭にあたり、「おつとめと心の掃除」について、お話をさせて頂きたいと思います。届きませんが、おつきあいいただけますようお願い致します。

つとめの完成と心の掃除」
一月の大祭の元一日は、1887年1月26日にさかのぼります。
この日、教祖は、つとめの急き込みまれる上から、25年先の定命を縮めて姿を隠されました。
このおつとめをしっかり勤めることができるよう、私達も、普段からおてふりや鳴り物の練習をしています。また、このつとめを勤める為に、心の掃除をすることも大切です。奇麗な心で、一手ひとつに、陽気に勇んでつとめるところに不思議な働きを見せて頂けると聞かせて頂いています。

おつとめ
ヨーロッパ出張所では、月に一度の大祭や月次祭、そして毎朝夕のおつとめを勤めの他に、毎週日曜日の「お願いづとめ」、そして、毎月26日に「本部遥拝式」を勤めています。
おねがい勤めは、毎週日曜日に、身上者の身上ご守護を願って勤めています。皆さんの周りで、お知り合いの方で、身上で苦しんでおられるかたがおられましたら、このような紙が出張所一階入り口においてありますので、書き込み、それ用の箱に入れて下さい。毎週日曜日の午後におねがい勤めをつとめ、身上快復を親神様教祖にお願いします。
そして、毎月26日には、本部の月次祭にあわせて、遥拝式を行っています。
今年は、特にこの26日を「天理教の日」として、皆さんと共に、おぢばに心を繋ぐ、一日にしたいと思っています。

おつとめと心
先ほども申しましたが、心の面で、おつとめを勤めるために、大切なことは、心を澄ますことと聞いています。
さて、私達は、身体は神様からかりて、心は、心の自由を神様から許されています。そして、その心通りの守護を神様から頂けると聞いています。また、親神様がこの素晴らしい世界を創造し、私達人間に日夜変わらぬご守護をして下さるのは、私達人間が、この地球上で「陽気ぐらし」をする為だと聞かせて頂いています。
おふでさきに、

月日には人間はじめかけたのは
陽気遊山が見たい故から

とあります。
そして、この陽気ぐらしに合わない心遣いを「ほこり」と教えられています。教祖は私達がこれを理解し易いようにと、八つの埃として教えて下さっています。それが、「おしい、ほしい、憎い、かわいい、恨み、腹立ち、欲と高慢」です。
また、ここで、どのように埃を払ったらよいか、逸話の一つを紹介したいと思います。

123 神がめどう

教祖は、入信後間もない梅谷四郎兵衞に、
「やさしい心になりなされや。人を救けなされや。癖、性分を取りなされや。」
と、お諭し下された。生来、四郎兵衞は気の短い方であった。
明治十六年、折から普請中の御休息所の壁塗りひのきしんをさせて頂いていたが、「大阪の食い詰め左官が、大和三界まで仕事に来て。」
との陰口を聞いて、激しい憤りから、深夜、ひそかに荷物を取りまとめて、大阪へもどろうとした。
足音をしのばせて、中南の門屋を出ようとした時、教祖の咳払いが聞こえた。「あ、教祖が。」と思ったとたんに足は止まり、腹立ちも消え去ってしまった。
翌朝、お屋敷の人々と共に、御飯を頂戴しているところへ、教祖がお出ましになり、
「四郎兵衞さん、人がめどか、神がめどか。神さんめどやで。」
と、仰せ下された。

埃を積まない為に、また、埃を払う為に、このお言葉を日々の生活に生かしたいと思っています。

陽気ぐらし世界:
ところで「陽気世界」とはどのような世界と考えておられるでしょうか。
ます、健康であることでしょうか。そして長寿(115歳)。家庭では、夫婦・親子・家族が仲良く暮らし、社会では、仕事がうまく行き、対人関係も良好でありたいです。また、事故もなく、そして、農家の収穫も間違いなく、世界経済もゆっくりとした成長が続いて行く。当然、戦争や人々の争いはなく、天変地異も起こらない世界が想像できます。

皆さんにとって、陽気世界とはどのような世界を考えられるでしょうか。

私、個人的には、夫婦喧嘩がなくなるとは、考えられません。陽気ぐらし世界でも、夫婦喧嘩はあるでしょうが、それ以上の夫婦のたすけ合い、労り合いがある世界ではないかと思っています。これはまったく個人的な考えですが。

現実の世界:陽気ぐらしからほど遠
では皆さん、今私達の生きる現実の世界はどうでしょうか?残念ながら、各地で内戦がまだ起こっています。貧富の差もあります。また、生きる目的を見つけることができなく、心の病に苦しんでいる人々も多くいます。親神様の望まれる陽気ぐらし世界実現は、大変難しい、と思われる状況にあるのではないでしょうか。皆さんはどう思われるでしょうか。

仮定
では、皆さんここで一つの仮定をしてみたいと思います。それは、世界中の人々が一斉に、今、この時、親神様が望まれるような、心の入れ替えを行ったとしたら、この世界はどうなるでしょうか?

さあ皆さん、貴方も、貴方の近所の人も、今、争いの中に身を置いている人々も、一斉に、このような心の入れ替えをしたら、この世界はどのように変わるでしょうか。
そこには、単に戦争や争いのない社会ではなく、全ての人間のエネルギーが、たすけ合いや、この世界をより良くする為に使われるのです。さあ、どのような世界が実現するのでしょうか。私にはなかなか想像できませんが、何かわくわくする世界が広がるような気がします。そして、きっと親神様、教祖には、その世界が見えているのではないでしょいうか。その希望をもって、日々、親神様は変わらぬご守護を私達に与えて下さっているのではないでしょうか。

私達の心の入れ替えによって、陽気ぐらしが実現する。これがこの私達の人間世界なのです。

しかし、私達は知っています。世界中の人間が今すぐ、心の入れ替えをすることは不可能です。また、私の、自分の心ひとつをとってみても、すっきりと心の入れ替えをすることがいかに難しいかを知っています。
しかし、一方で、私達一人ひとりの周りでは、それなりに小さな「陽気ぐらし」が実現しているのではないでしょうか。人様の幸せを願って生きるところに、道が拓けて来ることを私達は、この道を通りながら感じているのではないでしょうか。人をたすける為に身体を使い、心を遣うところに、知らないうちに幸せが集まってくる。これが間違いなく幸せへと続く道であると思います。

人間の主体性とおつとめ
私達の陽気ぐらし世界は、私達人間が主体的に創る世界です。しかし、それは私達人間の力のみで作り上げるのではなく、私達の心に乗って、親神様が限りないご守護を見せて下さる中に実現していくものです。

特に親神様は、澄んだ心でおつとめを勤めることを私達に望んでいます。

心を澄まそうと思う者が寄り集い、一手ひとつにおつとめを勤めるところに、本当に素晴らしい神様の働きが現れてきます。

おふでさきにも

つとめさいちがハんよふになあたなら
天のあたゑもちがう事なし        十 34

と教えて頂いております。

私達の生の深みを知る
親の思いを心において、今一度、私達の生、生きていること考えてみましょう。親神様のお心で、私達の命を見つめ直してみましょう。澄んだ心で、この親神様、教祖の思召を我が心として生きる時、私達が思う以上に、豊かで、深遠な、親神様、教祖の望まれる陽気世界に触れることができます。私達の生を、私達の人生を更に豊かにすることができます。

毎月の26日
さて、先ほどもお話をしましたが、毎月、26日を天理教の日として、欧州在住の信者さん、また欧州に繋がる信者さんたちと共にこの日一日、陽気ぐらし世界実現という親神様の思召を私達も共有し、自分の心を見つめ直す一日にしたいと思っています。そして、欧州の道の兄弟姉妹が、一つの気持ちで繋がる一日になればと願っています。

「やさしい心になりなされや。人を救けなされや。癖、性分をとりなされや。」このお言葉を胸に、日々、心の掃除につとめ、皆様と共に、親神様教祖のお喜び頂く姿を心に、陽気におつとめを勤めたいと願っています。

ご清聴有り難うございました。

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