Tenrikyo Europe Centre

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2023年1月大祭神殿講話

ヨーロッパ出張所長 長谷川善久

さて、今日の大祭にあたって心に留めておくべき大切な点は、教祖、中山みき様のひながたの最後をもう一度思い起こし、その限りない親心に対して感謝の気持ちを新たにすることです。1887年1月26日、教祖は、世界たすけを進めるうえから、お姿を隠し、広くおさづけの理をお渡しくださるようになりました。

皆さんには、それぞれ天理教の教えを伝えてくれた人がいます。自分の親であったり、親戚や友人である場合もあるでしょう。いずれにせよ、現在、この教えのお陰で幸せな毎日を過ごしているとすれば、その幸せは、それらの方がもたらしてくれたものだとも言えるのではないでしょうか。そして、その教えを伝えてくれた人に対しても必ず誰か教えを伝えた人がいます。その先々も同様で、このようにずっと時間を遡っていくと最終地点には、1798年から1887年までこの地上に実在する人間として生活しておられた「教祖」、お一人に辿り着きます。私たちが遡ることのできるこの「喜びの教え」の発信源は、「親神様」ではなく、「教祖」中山みき様なのです。

現在私たちが知り得ることの全ては教祖によって教えられ、教祖によって始められました。ですから、私たちの信仰は、この愛情溢れる「をや」である教祖が教えて下さった事を信じることからしか、はじまりません。教祖は、いつも私たちのすぐ側におわします。お姿は見えないけれども、私たちを導き、陽気ぐらし実現のための道具としてお育て下さっています。25年の定命を縮めてまでも人間をたすけてやりたいと思って下さった教祖に感謝の念を持つことは、その親心にお応えしている自分であるだろうかと自問することに繋がるとも思います。

皆様、ご存じの通り、その教祖の140年祭が2026年1月26日に執行されます。

真柱様は、諭達第四号の中で、その年祭の意義は、教祖の親心に応えるべく、よふぼく一人ひとりが教祖の道具衆としての自覚を高め、仕切って成人の歩みをすすめることだと延べられています。年祭に向けた三年千日には、全世界の天理教者が各自持つ力を、この旬に結集させ、一手一つに世界たすけの歩みを強く推し進めることで、教祖に喜んでいただき、ご安心いただくことを期待されました。

また教祖の年祭を控えたこの3年間は、私たち信仰者にとってまたとない「旬」だと言われています。旬とは、普段頂戴している神様の御守護、親神様の御守護が最も盛んな時期のことで、この時に、我々がそれにふさわしい努力を重ねれば、無理だと思うようなことでも、不思議な御守護も頂けるとお教えいただいているのです。この「旬」について、おさしづには以下ように説明されています。

旬が来る。旬と見たら運ばねばならんで。(明治23年7月22日)

旬ならば、ならんと思えることでも成ってくる。どんな反対があっても成る。(明治34年4月16日)

しかし、次のおさしづが示すように、旬が旬として働くのは、当然、私たちの心の持ちよう一つであることを忘れないようにしたいものです。

心一つの理を以て、ひとつの旬という。(明治22年10月4日)

教祖の50年に亘る、ひながたの歩みは、私達子供に注がれた親心の歩みでありました。その親心とは、一言で言うと、たすけ一条の心であり、教祖のひながたは、たすけ一条のひながたです。ですから、教祖によって引寄せられ、助けられ、なお且つ、今も導かれている私達の人生使命は、教祖と共に「たすけ一条」の道を歩むことにあると思います。つまり、「ひながたを歩む」という表現の核心部分は、自分の心を教祖の親心と重ね合わし、「たすけ一条の道を歩む」ということになるのではないかと思うのです。

また、諭達のなかで、真柱様は、ひながたを辿る者の心のありようとしては、どのような困難な道中も心明るく通る心を挙げられました。そして、その心を持つに至る物事の見方を具体的に2つ、また行動を1つお示し下されました。1つ目は、「水を飲めば水の味がする」との言葉を引用し、どんな中でも親神様の大いなる御守護に感謝して通ることの重要さについて。また2つ目は、成ってくる姿はすべて人々を成人へとお導き下さる親神様のお計らいであるとの考え方です。これには「節から芽が出る」という神言を添えられました。人生の全てを親神の愛の現れとして、ありのままに受け入れ、ひたすら感謝の中で暮す生き方とも言えるでしょう。そして、3番目の行動については、以下の文脈から、先程から申し上げている「たすけ一条に歩むこと」を挙げられています。「ひたすらたすけ一条に歩む中に、いつしか心は澄み、明るく陽気に救われていく」教祖が教えてくださったおつとめを勤めることに加えて、この2つの視点で自分の生活環境を捉え、教祖と共に人助けの日々を送ることが、諭達を通して私達に求められている「ひながたを歩む」ことの具体的な実践であろうと思います。

ヨーロッパ出張所でも、三年千日の大切な旬に全ヨーロッ パ在住信者が「ひながた」の道を前進し、しっかりとご守護をいただいてもらえるよう活動を推進していきたいと考えています。そこで、先月12月の布教推進会議で、ヨーロッパ教友共通の活動基本方針、成人目標を決めさせて頂きました。勿論、これからの3年間、皆さんが、所属教会との間で交わした心定めを最優先として成人の努力を継続していくことに異論はありません。しかし、その一方で、同じ地域に住む道の兄弟としても一致団結して目指す目標が示される事は更なる勇み心に繋がるとも思います。

この数値目標は、皆さんの信仰生活に強制力を持つものではありません。私たちを「陽気ぐらし」にお導きくださっている教祖の道具衆として、多くの教友が仲間意識を持って「三年千日」の活動に 少しでも参画してもらうためです。

一人万人に向かう。神は心に乗りて働く。(明治31年10月2日)

定めるも定めんも定めてから治まる。治めてから定まるやない。(明治24年11月3日)

という一連のおさしづがご教示くださるように、又、多くの教会が、年始には一年間の目標を数値で定められているように、 数値目標が成人を具体的に促し、より「やる気」を持続させるのではないかと考えました。

「ヨーロッパ140年祭活動方針」は、おやさまのひながたを目標に陽気ぐらしを実践し、その輪を広げようとさせていただきました。また成人目標としては、4つの項目を挙げました。

1番目は、月次祭に参拝しようです。様々な都合により月次祭に参拝のできないときは、別の日にでも参拝に出向くように心掛けましょう。2番目は、家族や知人を誘って参拝しよう。いつでも一言のお誘いの言葉を掛けるようにしましょう。3番目は、日々の感謝の気持ちを表そう。気持ちを表すのに決まった形はありません。とにかく感謝の気持ちを積極的に表すことで、より感謝のできる心に変わっていくと思います。最後の4番目は、次世代に信仰を伝えよう。信仰していることのありがたさを次世代に語り、手を引いて導いていきましょう。以上がヨーロッパ出張所として、掲げた4つの成人目標です。そして、これら4つの成人目標に加えて、 月次祭参拝者の延べ人数と初参拝者の実人数についての目標も定めることにしました。教祖140年祭までにヨーロッパで行われる月次祭への参加者人数を8000名。在欧拠点やおぢば、日本の教会などにお導きして初めて親神様、教祖に参拝した人の実数については、500名を達成しようということになりました。これらの目標は、数字だけを集めて達成することが目的ではありません。私たちを助け上げたいと姿は見えないけれども確かにお働き下さっている教祖の存在を信じ、そのお供をさせて頂いている喜びをできるだけ、多くの人がこの三年間貫きとおしやすいようにという配慮からです。

教祖の年祭は、全教が一手一つになって年祭活動に取り組み、そしてその成果や成人した姿を御存命の教祖にご覧頂き、お喜び頂こうという節目であるとお教えいただいております。 教会長・布教所長であろうが、一人の信者であろうが、信仰理解の度合いに関係なく、とにかく親神様に心をつなぎ、思し召しに添う心を定め、実行に移した暁には、旬にのった大きな御守護を与えて頂けるのです。 この年祭を大きな節目・旬と捉え、これまでの先輩方も、事実、大きな信仰的決意を表明し、御守護を頂かれてきました。

今、このヨーロッパの天理教を担う我々も、何の為に信仰しているのか、何をすべきかをいつも心に置きながら、心を引き締めて 2026年の年祭活動をつとめさせて頂きたいと思います。

そうする中で、必ずや私たちの子供たち、孫たちまでも続くような大きな御守護をこの旬に頂けると確信しております。

ご静聴ありがとうございました。

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