Tenrikyo Europe Centre

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2023年10月大祭神殿講話

ナゴヤ・パリ布教所長 津留田正昭

早いもので10月になりました。今年も8月におぢばがえりをさせていただきました。ありがたいことです。今年の日本の印象と言えば、第一に異常な暑さでした。35度を超える日が20日以上続いた記録的な暑さとニュースで報じておりました。場所によっては、40度に達するところもありました。またフランスはというと、特に南部では、8月後半、特に8月23日、24日は各地で記録的な暑さが計測されました。カルカッソンで43度、トゥールーズでは42度、またリヨンでも41度というこれまでの歴史ではなかった高温が記録されました。さらには、今年の7月には、アメリカや中国で50度を超えたという報告もありました。信じられない気温です。2022年の記録ですが、ヨーロッパでは熱中症が原因による死者が6万人にも及んだという報告もあります。

このような気象状況について、World Weather Attributionは「世界が化石燃料の使用をただちに停止しない限り、これらの出来事はさらに一般的になり、地球はさらに熱く、より長く続く熱波を経験することになるでしょう」と推測し、気温上昇の原因は地球温暖化に起因していると指摘しています。

地球温暖化とは、化石燃料を燃やすと温室効果ガスが発生し、そのガスが地球を毛布のように囲み覆うことにより、太陽の熱を閉じ込め、その結果、気温が上昇するというものです。温室効果ガスとは主に二酸化炭素とメタンです。二酸化炭素は、例えばガソリンを使用して自動車を運転したり、石炭を使用して建物を暖房したりすることで発生します。土地を開拓したり森林を伐採したりすることによっても二酸化炭素が放出される可能性があります。メタンの主な排出源は、ごみの埋立地からと言われています。このような地球温暖化が現実に起こっているとすれば、その原因は、私達にあるということが明らかになっているわけです。温暖化問題については、メディアでも大きく取り上げられていますから、皆さんもよくご存じのことと思います。

9月に入って、世界中で洪水のニュースがありました。アジアでは、香港、北京でも被害がありました。ヨーロッパでもスペインなども洪水で大きな被害がありました。そして、地中海沿岸では大変大きな洪水による災害がおこりました。9月10日から11日かけ、地中海沿岸のリビアで激しい雨と風を伴う台風の影響から大洪水が発生し、今日現在で1万人以上が死亡したと発表されており、犠牲者は今後も増える見込みと報道されています。ユニセフによると、28万人の子供に影響が及んでいるとしています。

このリビアの洪水の元となったのは、台風による強風と豪雨の影響で2つのダムが決壊したことです。下流の町が大洪水に見舞われて、大きな被害が発生しました。この台風はリビアを襲う前、トルコ、ギリシャ、ブルガリアでも大きな被害を出しました。そして、その勢力は、最初にお話したように記録的な猛暑により水温が上昇した地中海からの水蒸気をたっぷりと含んで非常に強力な台風に発達してリビアに上陸し、甚大な被害を生むこととなりました。研究者によると、今回の台風は、温暖化によって巨大化し凶暴なものに生まれ変ったと地球温暖化の影響に警鐘を鳴らしています。更に現在リビアは10年以上内戦状態が続いており、その影響で国内のインフラ整備に手が回らず、脆弱なダムがあっという間に決壊した事も大きな要因と言われています。このように、多くの犠牲者を出している災害の元は、自然の力だけでなく、地球の温暖化や、さらには内紛、まさに人間の「よく」の心も大きく影響していると言わざるを得ません。私たちの欲を追及する日々の行いが災いとなって、その結果、自分たちの命を縮めることになることをもっと真剣に考えなければならないのではないでしょうか。このように地球の環境問題は、今の自分たちの暮らしのみならず、こども達、また将来の人々へと受け継いでいく全人類にとって非常に大切なテーマだろうと考えます。

この問題について、教祖はどのように教えていただいているのでしょうか。

おふでさきに次のお言葉あります。このお言葉は、同じ章に二回繰り返されてでてまいります。それほど大切なことだろうと推察できます。

たん/\となに事にてもこのよふわ
神のからだやしやんしてみよ(3-40,3-135)

このお言葉について、教典では、

この世は、親神の身体であつて、世界は、その隅々にいたるまで、親神の恵に充ちている。そして、その恵は、或は、これを火・水・風に現して、目のあたりに示し、又、眼にこそ見えぬが、厳然たる天理として、この世を守護されている。即ち、有りとあらゆるものの生命の源であり、一切現象の元である。 実に、この世は、理ぜめの世界であつて、一分のすきもなく、いささかの遺漏もない。天然自然の間に行われる法則といわず、人間社会における秩序といわず、悉く、奇しくも妙なる親神の守護ならぬはない。

と教えられています。

この世は親神様の身体であると表現されています。この親神様の身体であるこの世に、人類をはじめ動植物が生成しているわけですが、その生きている全ての元を親神様が守護していると教えていただいています。そして、その守護のなかでもとりわけ、火、水、風の守護は当然欠かすことができないもので、どれ一つを欠いても私たちは生きることはできないのは事実であります。

火とは太陽の恵みであり、身体の中では温み、体温です。水とは、雨であり、水蒸気であり、体内では血液や水分で、これは月の働きです。風とは、空気、酸素があるおかげで呼吸もでき、言葉、音などはこの働きなくしてはあり得ません。また、社会生活においても、「火・水・風」のご守護が絶妙なバランスをもって働いているお陰で成り立っているのです。

このように、私たちは日々、「火・水・風」をはじめとして親神様のご守護によって生かされているのです。この大きな働き無くして生きられないことをもっと私たちは心に深く認識することが大切なのではないでしょうか。私たちの身体を考えると、その構造と機能において自然の最も精密な作品と言えるのではないでしょうか。そして、その自然の摂理の根底には、科学的認識を超越する創造主である親神様の存在と働きを感ぜずにはいられません。

飛行機に乗るたびに思うことがあります。滑走路から飛び立ち、徐々に家々が小さくなり、そして、雲のなかから青空が拡がる地点まで来ると、もう地球の存在が遥かかなた遠いところにあります。通常は、高度約1万メートルまで来ると水平飛行に移ります。この間、約10分、私にとってはちょっとした恐怖の時間ですが、このまま水平飛行にならないで上昇し続けたら、大気圏を飛び出して宇宙に行くんだと思うととても不思議な気分になります。現実には、大気圏に飛び出して行くことはできませんが。もし、このまま大気圏を飛び出したら生きていられないなと。空気が無くなる訳ですから。空気というのは、風のご守護ですね。

現在、科学の進歩によって宇宙自然の神秘が次第に解明されてきています。例えば、地球は時速10万8千キロのスピードで太陽の周囲を公転しています。一年かけて一周するのです。しかも地球自身も時速1700キロの速さで自転しながら動いている訳です。これは万有引力によるものですが、このことだけでも驚愕する事実であり、宇宙自然の壮大な秩序と調和の世界が存在しているわけです。こういうことも、全てが親神様のご守護であり、天然自然の法則です。

月と地球の関係については、皆様はよくご存じだと思いますが、昔から、月は人類にとってとても身近な存在ですね。では、月はどのように誕生したのでしょうか。詳しいことはまだ明確にされてはいませんが、一説には次のような仮説が有力です。46億年前、巨大な隕石が元始地球に衝突しました。その衝撃で飛び散った結果、月が生成されたというものです。そしてその衝撃で地球は現在のように地軸が斜めに傾き、しかも月の引力によって今もなお同じ傾きが保たれています。その傾きのお陰で四季が生まれました。また、その月の引力のお陰で、地球の海には満ち引きが起こり、海水や大気を一定の温度を保つ役割も担っています。それ故に温暖な地球が保たれているのです。こうした月の存在がなかったらこの地球は、また私たちは、今の暮らしはとてもできるものではないのです。本当に、この奇跡的なこの月の存在とその働きは、正しく親神様のお働き以外にあり得ません。単なる偶然で起こりえないことではないでしょう。

教祖伝に次のようなお話が出てまいります。

明治7年、教祖は奈良県庁の社寺掛から召還を受け、山村御殿にお出かけになりました。その時、社寺掛から「天理王命とはいかなる神か」と問われると、教祖は神々しい声で、「親神にとっては世界中は皆我が子、一列を一人も余さず救けたいのや。」と仰せになりました。

そうすると、「では、私が旅に出る四、五日の間に、この身に罰を当ててみよ」と言われると教祖は、「火水風共に退くと知れ。」と大変厳しい表現をもってお応えになっておられます。 このように教祖は、親神様のご守護は、一時も休むことなく働き、その働きによって命があることを教えてくださったのです。そして、そのことを世界の人々に伝えたいという大きな親心から、このような厳しい言葉で表現されたのだろうと思います。

月日よりたん/\心つくしきり
そのゆへなるのにんけんである(6号88)

全宇宙の営みの上に、そして私たちのこの身体のうえに働いてくだされている親神様の恵みと守護を自覚し、そしてそのことに感謝し、人々が互いに助け合いながら、天然自然の摂理のまえに慎みをもって生きることを教えられたのが教祖です。しかしながらまだまだ多くの人は、このような親神様の絶対的なお働きを知らず、欲望のままに生き、自分勝手な心遣いで生きています。

せかいぢうこのしんぢつをしりたなら
ごふきごふよくだすものわない(6号121)

世界の人々にこの真実を伝えることこそ、私たちがなすべきことではないのでしょうか。

ご清聴ありがとうございました。

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